MENU

NAOストーリー

02
キタノカオリで
つながる“絆”NAO × 開発者 × 生産者
 インタビュー

受け継ぐ勇気と
探究心

安藤さんは、いつから農業を始められたのでしょうか?

安藤:

今年35歳になりますが、20歳のときから農業を始めました。今では父に手伝ってもらいつつもほとんど僕が管理しています。

畑はどのくらいの広さなのでしょうか。

安藤:

46ha弱です。東京ドームくらいですね。キタノカオリは2.5haほど作っています。

すごい広さです。キタノカオリはいつから生産されているのでしょうか?

安藤:

僕が農業を始めたときからやっています。父の代までは、ほとんどタマネギしか作っていませんでした。

西飯:

連作に強いと言われていたからね。昔はタマネギを作っている人はタマネギ以外作らないという人が多かったです。

タマネギは岩見沢市のキャラクター「いわみちゃん」のモチーフにもなっていますよね。

安藤:

岩見沢の名産ですからね。僕が始めてからは、収穫量を安定させるため、色々な作物を作るようになりました。

西飯:

まずは大豆から始めたんだよね。

安藤:

キタノカオリも西飯さんに作ってみるよう勧められて軽い気持ちで作り始めました。最初は全然苦労しなかったです。ただ、何年かしてから赤さび病が出まして。それが止まらなくて大変でした。

収益も落ちてしまいますよね。それでも続けてこられた理由はどこにあるのでしょうか?

安藤:

直美さんのような、タノカオリを実際に使って愛してくださっている方の話を聞くと、やる気が出ますし、やりがいを感じます。

直美さんがキタノカオリと生産者の皆さまをつなぐ役割をされていますね。

安藤:

2月の直美さんの講演もぜひ聞きたいなと思って参加しました。実はそのとき入院中だったんですが、抜け出して駆けつけました。

直美:

ありがとうございます。私も嬉しいですね。キタノカオリは本当においしいので。その小麦粉で作ったパンをできる限り多くの人に食べていただきたい一心でお店をやっています。

安藤:

遠い埼玉の地でキタノカオリのパンをおいしいと食べてもらえて、幸せです。

直美:

お客さんからも共感の声を本当にいただきます。袋を開けた瞬間に小麦粉の香りがする、とか、甘みがある、とか、何日経っても味が変わらないんです、とか。

感覚の共有ができると絆が生まれますね。

安藤:

正直作りづらいのでやめようかなと思った時期もありましたが、こういった声を聞くとやってきて良かったと思いますね。キタノカオリって、穂の形がかっこいんですよ。ものすごいゴツゴツしてます。

本当にそう!

安藤:

今年からキタノカオリの種子を作っています。

どのような経緯で安藤さんが始めることになったのでしょうか?

安藤:

ある日、西飯さんの意思を継ぐ農協の方から、何件か集めて種子を作ってほしいとお声がけいただきまして。「いいですよ〜」と軽く返事しました(笑)。最終的に今年は6軒でやることになりました。

西飯:

安藤くんに任せれば安心だからね。

岩見沢市稔町地区の中でも最大のトラクター。タイヤの外周は1.8m。

種子を実際に作ってみて、いかがでしたか?

安藤:

大変でした。僕、イネ科アレルギーなんですよ。

一同:

えー!

安藤:

種子を栽培するときは、一般生産と違って、生育の途中で何度も畑に入りながら、キタノカオリじゃないと思われるものを抜き取りをしなければならないんですよ。種を蒔くときから、人間が歩ける程度の通路を作ります。

西飯:

ぴゅっと長く伸びたものや、短いものとか。出穂始めに早く芽が出てしまったものとか。
手作業で株ごと全て抜き取るんですよ。

それはパッと見てわかるのでしょうか?

安藤:

いや、わかりづらいです。なので、変だなというものは全部抜きます。嫁さんにも手伝ってもらってなんとかやり通しました。

直美:

これは機械ではできませんね。

安藤:

1回目、2回目に入ったときは、まだ花粉がなかったので良かったのですが、3回目が花粉のピークでした。マスクもしていましたが、気温も高く、暑くて大量に汗をかいているところに花粉がものすごくて。開始1時間で鼻水と涙と体中が痒くなってきて、帰ってから熱が出ました(笑)

これは辛い。想像を絶する状況です。一度入るのにどのくらいかかるのでしょうか?

安藤:

僕の担当分は4.8haほどでしたが、2日くらいですね。東京ドームくらいの広さです。

これは生みの親である西飯さんにとっても嬉しいですね。

西飯:

そうですね。若い世代のがんばりが非常に頼もしいです。ただ、江別製粉や他のいくつかの製粉会社との契約の関係で、3000t収穫できる面積分(約550〜600ha)までしか増やせないということはあります。

安藤:

とはいえ今は2000t弱(約350ha)ですから3000tまでまだまだいきません。そこまではどんどん増やしていきたい。
最近では岩見沢の麦全体の収穫量もどんどん増えてきています。十勝に並ぶくらいにはなってきましたね。

西飯:

人よりいいものを作ってやろうという人が増えたよね。

競争が成り立ってきたということですね。

西飯:

昔は減反政策で、作らない人にお金が出る時代でした。だから日本の農業は30年遅れているんです。
それが2000年から今では作る人にお金が出る政策に変わったため、真面目に農業に取り組む人が本当に増えたと思います。安藤さんをはじめとした若い農家さんの頑張りに期待していてください(笑)
消費者の皆様にいつまでもキタノカオリの美味しいパンを食べ続けていただけるように私も願っています。

NAOストーリー

お店をこの地に開店したきっかけや
「キタノカオリ」の生産者との関わりなど
Boulangerie NAOのプロジェクトや
取り組みについて紹介しています。