こだわりのパンづくり
遊佐の水と地元食材
石窯で焼きあげる、手作りならではの味わい
パンもピザも石窯を使って作ります。
特にパンは、薪を燃やして焼窯の石を600℃まで熱し、その余熱を頼りに焼き上げる「フランス式薪窯」の伝統的な製法を用いています。
窯への火入れは1日1回のみ。徐々に低下していく熱を感じとりながら、その時々の温度に合った調理方法のパンを一発勝負でじっくりと焼いていきます。石窯の遠赤外線の輻射熱によりパンの中まで早く熱が伝わることで、水分が失われずふっくらとした美味しいパンに仕上がるのが最大の特徴です。
一方、ピザは「エジプト式薪窯」を使用しています。こちらは窯の中に直火で火を燃やすオーブンのような方式です。500℃を超える高温となった窯の遠赤外線効果で中はジューシーでしっとりしながらも表面はパリッと香ばしく短時間で焼き上がります。窯の中の温度の状態を感じながらピザを回す職人技で、焦げすぎない絶妙な焼き加減に仕上げていきます。
石窯での製法は熱の扱いが難しく手間もかかりますが、その分個性のある味わいを追求できるため、当店ならではの美味しさをお届けするためにこだわっています。
-
フランス式薪石窯
窯の下で熾した火が「グラ」という吹き出し口を介して焼窯の中を熱します。方向を変えながら全体をまんべんなく温め、その余熱でパンを焼いていきます。
-
エジプト式薪石窯
窯の中で直接薪を燃やして、窯床を熱してピザを焼きます。窯全体の輻射熱をうまく使いながら美味しく焼き上げるには、経験が必要です。
「キタノカオリ」でつくる食パン
パンづくりの要となる食パンの小麦に「キタノカオリ」という品種を使用しています。北海道の岩見沢で生まれた、パンのための小麦で、栽培の難しさから作付が減り現在は希少な原料となっています。当店では、北海道岩見沢の生産者さんとのご縁からこの小麦を調達し、原料として使用しています。
「キタノカオリ」の唯一無二な豊かな香りと味わいを引き出すため、作り方にもこだわりがあります。低温の環境で生地を一晩寝かす「低温熟成発酵法」を取り入れています。酵母のはたらきで小麦本来の甘さや旨味がゆっくりと引き出されると同時に、グルテンがしっかりと結びつき、きめ細やかなパンに仕上がります。
ほんのり黄色味を帯びた焼き上がりは、キタノカオリ100%の証。ミルクのようなほのかな甘さの奥に香ばしい香りが立ち上がります。もっちりとした質感とともにじんわり広がる甘味。軽やかで心地のいい弾力ある食感は、トーストにすることでさらにサクサクとした歯切れのよさと噛むたびに広がるうまみを楽しめます。
NAOストーリー
お店をこの地に開店したきっかけや
「キタノカオリ」の生産者との関わりなど
Boulangerie NAOのプロジェクトや
取り組みについて紹介しています。
当店がある遊佐町は鳥海山の伏流水が豊富に湧きだす場所。雪解け水を何年もかけて自然が濾過し、豊かなミネラルを含んだ清らかな湧水となります。この恵みの水を使って生地を仕込み、パンに独特のふくよかな風味としっとり感をもたらしています。パンづくりの基本となる水に地元の恵みを生かすことで、贅沢な味わいが生まれます。
また、遊佐の豊かな土地で収穫される新鮮な食材も、私たちのこだわりのひとつ。地元の生産者さんとのつながりを大切にし、季節ごとに変わる美味しい食材を取り入れています。新鮮な野菜、地元産の加工品、手摘みの果物など、地域の個性を引き立てつつ、おいしいパンとピザをお届けしています。